MSに将来性はあるのか?医薬品卸MSの将来性を現役MRが解説します

「MSに将来性ってあるの?」

「MSとして働き続けても大丈夫なの?」

MSの将来性はどう考えても低い。

本記事では医薬品卸で働いているMSの将来性を解説します。

本記事を書いている人

元MSの経歴を持つ現役MRです

MSの将来性は高いから就職するならおすすめだよ!って就活生に言える現役MSっていますか?

今の環境だとはっきり言ってMSの将来性は厳しいんですよね。

その理由について解説していきます。

MSの人数が減り続けているし、これからも減っていく

MSの人数が年4%も減り続けています。

減少

最新のMSの人数は16,004人です。

日本医薬品卸売業連合会調べ

このままMSの人数が毎年4%減り続けていくと、10年後は何人になっているのか?

2030年には約1万人になっちゃいます

あくまでも計算上ですが、10年後には約40%のMSがいなくなってしまいます。

10人MSがいたら、6人だけ残れると言う計算です。

これって非現実的ではないかもしれません。

そもそも医薬品卸の利益率は極めて低いため、儲かりにくい業界です。

ただでさえ儲かりにくい業界なのに最近は後発品が発売されたら直ちに後発品に切り替えられ、利益率がさらに圧迫しています。

後発品に切り替えられると何で利益が減るの?

後発品は先発品よりも薬価差益が低いからです。

詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています。

さらに製薬会社もオンコロジーや希少疾病薬の開発に舵を切っています。

これらの薬剤はもともと仕切り価が高く、薬価差益をとれません。

そして、これから毎年薬価が改定される予定です。

以前までは2年に一回の改定だったんです。

これが毎年です。

他にも新薬が売れすぎたら薬価を特別に下げると言う謎の制度もあります。外資系のお偉いさんもこれには猛反発しています。

「コノママダトニホンカラテッタイスルヨ!!」

怒っている外人

厚労省はドSですよ。

製薬会社と卸にとって毎年薬価改定はマジできっついです。

加えてヤマト運輸が医薬品の配送に参入してきました。

新たなプレイヤーの登場です。

もしかするとAmazonなども参入してくるかもしれません。

企業体力が落ち、明るい見通しがなければ、企業は人件費のカットをしてきます。

そう考えると10年後に約1万人になるという仮説はまんざらでもないかもしれません。

現に医薬品卸の経営悪化でMSのリストラが始まっています。

医薬品卸MSの人数が半分になってしまったら・・・

もし仮にMSの人数が半分になってしまったらどうなってしまうんでしょうか?

単純に担当施設が2倍になります。

担当施設が2倍になったらどうなるのか?

そのへんを深掘りします。

配送業務が完全になくなる

配送もしていたら、配送だけで終わってしまいます。

医薬品の情報提供なんてできなくなります。

そのため、営業と配送は完全に切り分けられるはずです。

MSから配送員になる社員が続出しそうな気がします。

医薬品の配送業務は絶対に必要ですし、これからもその仕事はなくなりません。

その理由についてはこちらの記事で解説しています。

もし、あなたが配送員になれと言われたらどうしますか?

近い将来言われるかもしれません。

仕事内容が医薬品の配送だけですよ?

転職市場の中での価値が著しく低下すると思いませんか?

あなたがMSだとしたら若いうちにMRに転職することをおすすめします。

その理由についてはこちらの記事で解説しています。

毎年の薬価改定で見積もり業務に追われる

以前までは2年に1回でしたが、これからは毎年のように薬価改定が訪れます。

しかも担当施設は増えます。

私がMSをしていた時は、この薬価改定による再見積もり業務にとても時間がかかっていました。

すぐに納入価格が決まればいいのですが、なかなか病院や薬局側と妥結できません。

年内に決着がつかない得意先もありました。

妥結ってなに?

妥結とは、病院や薬局などの顧客と医薬品卸が納入価格を決定することです。

きよまさ

医薬品業界って特殊な業界なんですよね

普段私たちが家電を購入するときはヤマダ電機などに行って、販売員と価格の交渉をして、その価格に納得すれば、買います。

つまりヤマダ電機が私たちに売った金額が納入価格となります。

普通はその場で決まります。

しかし、医薬品業界はそうではありません。

暫定の価格で医薬品卸から医薬品を購入します。

通常は消費税分を差し引いた金額です。100円であれば90円です。

そして病院や薬局は時間をかけて医薬品卸と納入価格に関して交渉をします。

病院や薬局が取引をしている医薬品卸は1社だけではありません。

納入価格に納得しなければ、他の医薬品卸に「A社はこの金額だけどおたくはいくらかな?」と交渉できます。

NG

そして納入価格が決まったら、今まで暫定価格で納入していた医薬品すべてに値引きを入れていきます。

一括値引きと言われています。

問題は価格が決まるまでに時間がかかりすぎているということです。

薬価改定月は通常は4月です。過去の例を見てみます。

2018年4月→2018年6月の妥結率はどれだけだったか?

答えは10%です。

大手卸4社・妥結率 3社は10%台前半 病院では10ポイント低下も 慎重な価格交渉 6月末時点

ミクスOnlineニュースより引用 URL:https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=62221

つまり、10施設で納入価格が決定したのが1施設だけということです。

どんだけ時間かかんねん!!

こういった苦労を毎年、今以上の得意先に対してしなければいけなくなります。

考えただけで吐きそうになりませんか?

単純に仕事量が2倍になる

担当施設の数が倍になれば、単純に仕事の量も倍になります。

顧客からの頼まれごと、競合他社との戦い、報告業務、MRとのコミュニケーションなどが増えます。

ではその分給料が上がるか?というと無理ゲーです。

医薬品卸の利益率が劇的に上がらなければ、不可能です。

そしてその見通しは暗いです。

MSの年収についてはこちらの記事で解説しています。

10年後、もしあなたがMSとして働いていたら・・・

10年後

MSの人数が減るのは間違いありません。

では10年後にMSとして働いていたら、どうなるんでしょうか?

MRに転職することがとても難しくなっている

早期退職やリストラでMR経験者の数も市場に溢れかえっていると思います。

そうなると、MRになるためには新卒以外はMR経験が必須になっているはずです。

今は未経験者であればコントラクトMRになるという道もありますが、それもなくなっていく可能性もあります。

今は未経験からMRになるのは難しくないです。

未経験からMRになる方法を解説した記事はこちらです。

社名が変わっているかもしれない

医薬品卸の会社も減っているはずです。

倒産するリスクも十分にあります。

倒産

このリスクは大手でも考えておかなければいけません。

地方の卸はなおさらです。

最悪、倒産しなくても企業体力が落ちた医薬品卸から吸収合併されます。

吸収合併された側の医薬品卸のMSがMSとして残れればいいのですが、多くは配送員になってしますのではないかと危惧しています。

社名が変わり、MS業務をはく奪されてしまったら、もうどうすることもできません。

そういったリスクがあることも頭の片隅に入れておいた方が良いと思います。

自己啓発の勉強などをする余裕がない

仕事量が倍になることで、毎日の仕事をこなすだけで疲れ切ってしまいます。

将来に備えて、自己啓発しようと思っていてもできません。

休みの日も見積もりの資料作成に時間を取られてしまって、有休休暇もなかなかとりにくい。

今でさえ、自己啓発の勉強の時間を取りにくいのに、今後はますます取りにくくなってくるかもしれません。

時間がないあなたにおすすめの読書方法はこちらの記事で紹介していますよ。

MSに将来性はあるのか?医薬品卸MSの将来性を現役MRが解説しますのまとめ

どうだったでしょうか?

これから就職活動をする学生や異業界の方で医薬品業界への就職を考えている人は医薬品卸か製薬企業に就職するかはよく業界を研究して決めることをお勧めします。

MSとMRの違いについてよくわからない人はこちらの記事で解説しています。

MSの将来性が明るいかと言われるとそうではありません。

ただし、そういった将来でも生き残れる人は生き残れます。

次世代の医薬品卸は今では考えつかない新しい働き方や医療の担い手になっているかもしれません。

こればかりは分かりません。

しかし、今の状態が続いていくのならば、将来性は低いと言わざるを得ません。

お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!!

関連記事はこちら

シェアしてくれるとうれしいです