医薬品卸の経営悪化でMSのリストラが始まるかもしれない

こんにちは、きよまさです。

「このままMSとして働き続けて大丈夫かな?」

「近い将来、経営破綻しそうで怖いんですけど・・・」

こんな風に思っているMSが多いのではないでしょうか?

元MSで現在MRとして働いている私が医薬品卸の経営状態が悪化している理由とMSがリストラされる可能性について解説していきます。

本記事を書いている人

医薬品卸で数年間働き、その後内資系製薬会社→外資系製薬会社に転職しました。
現在、外資系製薬会社でチームリーダーとして働いています。

大手医薬品卸が2020年上期の決算を発表しましたが、すべての卸が減収減益になっており、厳しい経営を迫られています。

4大卸の売上高と利益は以下の通りです。

■メディパルHD(メディセオ事業)

売上高 1兆304億円(4.3%減)、営業利益35億円(72.2%減)

■アルフレッサHD

売上高 1兆2951億2600万円(5.3%減)、営業利益78億5800万円(65.7%減)

■スズケン

売上高 1兆423億200万円(6.5%減)、営業利益17億7700万円(88.1%減)

■東邦HD

売上高 5959億円(6%減)、純利益18億円(74%減)

*2021年3月期の決算を追記しました。

経営悪化している理由

・患者が減っている

・製薬会社の仕切り価が高くなっている

・医薬品卸間の価格競争が起こっている

MSのリストラの可能性

非常に高いと思われます

まずはこれだけ経営が悪化している理由を考えていきます。

患者が減っている・・・

まずはコロナ禍で受診抑制がかかり、

患者が病院やクリニックに来なくなっていることが考えられます。

しかし、これは外部環境の変化であり、どうする事もできませんよね。

実際に、病院やクリニックを訪問していると明らかに患者が減っています。

病院経営も苦しくなり、赤字に転落する病院も出てきています。

患者の受診抑制がかかることで、医薬品の処方量も減ります。

そのため、薬局も医薬品の購入量が少なくなり、

結果、医薬品卸の売上も減少するという事になります。

医薬品卸だけではなく、製薬会社もコロナ禍において売上がダウンしています。

製薬会社の仕切り価が高くなっている

仕切り価とは、製薬会社が医薬品卸に売る医薬品の金額です。

薬価が100円の医薬品を製薬会社が医薬品卸に80円で売った場合は

仕切り価80%という事になります。

そして、医薬品卸が調剤薬局に85円で販売したら、5円の儲けになります。

この仕切り価が安ければ安いほど医薬品卸は儲かるという事になります。

この仕切り価が最近は値上がりしています。

なぜかと言うと製薬会社としては薬価を守るために、調剤薬局への納入価格を安くしたくないからです。

薬価改定は毎年行われる予定ですが、

新薬価を決めるときの判断材料に

市場実勢価格(卸から薬局などに納入される価格)も参考にされます。

納入価格が安ければ安いほど、薬価改定時に薬価が安くなってしまいます。

製薬会社の売上は薬価に依存しますので、売上確保のためになるべく薬価を維持したいわけです。

こういった事も背景にあり、製薬会社が医薬品卸の絞り込みを始めています。

➢製薬会社の医薬品卸の絞り込みに関する記事

外資系製薬会社が医薬品卸の絞り込みを行っていますが、内資系製薬会社もこれに続くと思います。

➢内資系大手が医薬品卸の絞り込みを始めるかもしれない

しかし、調剤薬局も儲けを出さなければいけません。

医薬品卸に納入価格を下げろとプレッシャーをかけてきます。

きよまさ

製薬会社と調剤薬局(病院も含む)の板挟みです・・・

どの業界も卸売業は大変なのですが、医薬品業界もそうです。

医薬品卸間の価格競争が起こっている

私はこの原因が最も影響を与えていると思います。

きよまさ

最近は現場でMSさんからよくこの声を聞きます

2018年に流通改善ガイドラインが発令され、

しばらくは卸間の過度な価格競争はありませんでしたが、ここにきて、それが乱れています。

シェアを上げるために価格を出して帳合を奪うことが一番手っ取り早いんです。

やられた卸もやりかえすため、納入価格がどんどん下がっていきます。

これは病院や調剤薬局にとってはうれしいことですが、製薬会社にとってはよくありません。

医薬品卸業は自由競争なので、止めることは出来ません。

過度な価格競争を止めるために製薬会社が取引卸を絞ると言うのは必然的な考えです。

➢医薬品卸の談合問題でこれから起きること

この状態が続くとMSのリストラが始まるのはほぼ間違いない

ただでさえ、利益率が低いのに、

さらに利益を出しにくいビジネス環境になってしまっています。

昔は製薬会社が販売マージンを多く出していましたが、最近はそれも少なくなっていると聞きます。

これは製薬会社の開発パイプラインがプライマリー製品からオンコロジー領域やスペシャリティ領域の新薬に移行しているからです。

こういった医薬品は大学や病院などで処方されることがほとんどです。

MSの自販力は主にクリニックで発揮されます。

つまり製薬会社がMSに売ってもらうことを期待していないということです。

私が勤めている会社もMSに販売マージンを出す施策が激減しています。

日本独自の医薬品卸のビジネスモデルが崩壊しようとしています。

それが今回の決算発表で如実に明らかになりました。

利益を確保するためには固定費を削減しなければなりません。

固定費の中に人件費があります。

この状態が続けば間違いなくMSのリストラが始まります。

実際にメディセオが早期退職を募集していますね。

その早期退職に560人が応募したそうです(2020年12月20日)

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70423

医薬品卸の経営が悪化しているためMSのリストラが始まるかもしれないのまとめ

コロナが終息し、クリニックや病院に患者が戻り、そして、卸間の過度な価格競争を止めることが出来れば最悪の状況を回避できるかもしれません。

しかし、元に戻る可能性は極めて低いと思います。

新しいビジネスモデルを構築しない限り、医薬品卸とMSの将来性はますます厳しいものになっていきます。

➢MSの将来性についてはこちら

これから医薬品卸のM&Aや倒産と言うニュースも出てくると思います。

明日は我が身と考え、若いMSさんはMRや医薬品機器メーカーに転職する準備を始めた方が良いかもしれません。

この状態が改善せず、2021年3月を迎えたときの各卸の年間決算の発表が恐ろしいです。

2021年3月期にはさらに悪化しています。

赤字に転落する卸も出てくるのではないでしょうか・・・

バイタルケーエスケーHDが赤字に転落しました。

「自分のみは自分で守る」

これが一番です。そのためにまずは転職サイトに登録しておくことをおすすめします。

➢経験者が厳選するMSのおすすめの転職サイトランキングはこちら

お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!

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