「MRっていらなくね?」
「MRがいなくなっても困ることないよね?」
MRがなくなることは絶対にありません
現役で働いている多くのMRは「MRの将来性」に不安を持っているのではないでしょうか?
MRを取り巻く環境から分析したMRの将来性についてはこちらの記事で解説しています。
本当にMRは不要なんでしょうか?
MRは確かにこれからも減っていくけどMRと言う職種がなくなることはないと思っています。
本記事ではその理由について解説していきます。
コンテンツ
MRが減る3つの理由
MR認定センターが8月に公表した2019年版「MR白書」によると、18年度(19年3月31日時点)の国内のMR数は5万9900人で、前年度から2533人(4.1%)減りました。6万人を下回るのは09年度(5万9712人)以来9年ぶり。国内のMR数は13年度の6万5752人をピークに減少を続けており、この5年間で5852人減ったことになります。
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16843/
過去5年で年間1,170人のMRが減っています。
外資系、内資系関わらず早期退職を行い、直近では2,533人とMR減少数のペースが加速しています。
2021年はアステラス製薬が早期退職を行うと発表していますね。
「このままいくと日本からMRは消えてなくなるんじゃないの?」
「もはや絶滅危惧種じゃないの?」

でもね
今までの日本のMRの数が多すぎたんです
米国と日本を比べると、米国の医師数は日本の3倍なのに、MR数はそこまで変わらない・・・。
明らかに多すぎでしょうよ
MRが減ることは日本の医薬品市場に基づいて考えれば、あたりまえの結果なんです。
MRがなくなるから減っているんではなくて、MRの数が適正化され始めているって感じです。
MRの数が適正化される理由は3つです。
・日本の医療用医薬品市場が頭打ちになっている
・新薬がスペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾病)にシフトしている
・オンラインが普及している
日本の医療用医薬品市場が頭打ちになっている

10兆円付近で完全に頭打ちです。
19年度は前年比2.8%と3年ぶりに増加していますが、これは「キイトルーダ」などのオンコロジー製品が底上げをしています。
しかし、20年度にはまたダウン!
世界の医薬品市場は毎年平均で4%半ば台で成長しているのにもかかわらず、日本は頭打ち、いやマイナス成長なんです。
なんで医薬品市場は10兆円で頭打ちになっているの?
これには2つの理由が考えられます。
①爆発的に売れている医薬品の薬価を強制的に下げる
②特許が切れた先発品は安価な後発品に問答無用で切り替わっている
厚労省は、1,000億円を超える医薬品は特例で薬価を引き下げています。
売れすぎたら薬価を下げるってね、もはやいじめですよ・・・
加えて、先発医薬品は後発品が発売されると、問答無用に後発品に変えられます。
昔は、後発品が発売されても、先発品が処方され続けていましたが、今ではありえません。
そんな後発品を取り扱う企業に転職したらいいんじゃない?
絶対にダメです。
後発品メーカーに転職してはいけない件についてはこちらの記事で解説しています。
医薬品市場は頭打ちだし、これから縮小していくというのが、大方の見方です。
伸びていない市場に企業がこれ以上MRを過剰に投資することはありえないですよね。
新薬がスペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾病)にシフトしている
内資外資問わずに、新薬群がプライマリーからスペシャリティ領域(オンコロジー・希少疾病)にシフトしています。
生活習慣病のことです。高血圧や高脂血症などが代表的疾患です
ガンのことです。肺がんや大腸がんなどですね。
19年度の売上順位をみても、1位がMSDの「キイトルーダ」、3位が中外製薬の「アバスチン」、4位が小野薬品の「オブジーボ」で、5位がアストラゼネカの「タグリッソ」と上位は軒並み抗がん剤です。

日本人の死因で最も多いのがガンです。
今の日本は死因から見ても「生活習慣病による心疾患の死」よりも「ガンによる死亡」を減らすことが課題となっています。

こういった理由からオンコロジー製品はこれからもニーズが高いんです。
そして、ガンの次は希少疾病です。
希少疾病は患者数が少ないですが、治療薬がないため、治療ニーズが高い領域です。
加えて、薬価が高く設定されます。
ノバルティスの白血病治療薬「キムリア」はなんと3349万円の薬価がつきました。
もはや家ですよ

投与患者数が少ないとはいえ、これにはビックリですよね。
オンコロジーや希少疾病領域の新薬って生活習慣病薬並みのMR数は必要ないんですよね。
だからMRが減るんです。
オンラインが普及している
コロナ禍で病院への訪問が禁止になり、活動の自粛を余儀なくされています。
その結果、オンラインでの面会を模索している製薬会社が多くなってきました。
加えて、今年の学会のほとんどがオンライン開催です。
オンラインに抵抗があった医師でさえも、それに慣れていかなければ、専門医の資格を更新するための学会の単位が取れません。
コロナウイルスは間違いなく医師のオンラインの壁をなくしました。
講演会でも、面会でもオンライン活動がかなり増加しています。
オンライン講演会が増えたメリット・デメリットはこちらの記事で解説しています。
コロナでMRの仕事内容がどう変わったのか?はこちらの記事で解説しています。
オンライン面会が医療業界のあたりまえになれば、MRの移動の時間がなくなります。
さらに面会できる医師と全くできない医師に2極化しています。
面会できる医師が減れば、今のMR数はどう考えてもいらないですよね。
それでもMRがなくならない理由は製薬会社が営利企業だから
MRは医薬情報担当者でもありながら、営業マンなんです。
製薬会社がなんでMRを雇うのか?
売上を伸ばして利益を出すためです。
MRの仕事は自社医薬品の適正使用の普及、安全性の情報収集って言いますけど
何で売上目標があるわけ??
製薬会社は非営利企業ではないんです。
民間の営利企業です。
売上を伸ばして、利益を出して、新薬を出し続けなければ、潰れます。
倒産です。

売上を伸ばすためには営業は必要です。泥臭い営業も必要です。
製薬業界は人の命に関わる医薬品を扱っているので、何かと国からの規制が厳しいです。
CMなども打てません。
そんな規制がきっつい業界でどうやって新薬を安全に浸透させていくのか?
やっぱりそこには人の力が必要です。
だからMRが減ることはあってもなくなることは考えられないんですよね。
どこの製薬会社がきつそうか?
ずばり開発パイプラインを見て
ここはきつそう!!
って製薬会社がここです。*個人的な見解です*
参照にしたのはこちらの記事です。
・日本ベーリンガーインゲルハイム
・旭化成
・キョーリン製薬
・持田製薬
・科研製薬
MR一人当たりの生産性が高くなく、かつ開発パイプラインも少ないからです。
【最新版MR不要論】これからMRは不要なのか?のまとめ
日本のMRの数は適正になるために減っていく事が予想されています。
しかし、MRという職種はなくなりません。
もしかすると10年後には半分になっているかもしれません。
MRが減れば、企業の人件費は減ります。
もしかするとMR一人あたりの給料はその分上がっていくかもしれません。
製薬業界は安定しています。
コロナ禍でも給料やボーナスはコロナ前と変わらずに支給されています。
会社から必要とされるMRならどこでも通用しますよ!
そんなMRになるために日々自己啓発も頑張っていきたいですね!
MRを目指す就活生はぜひ自己分析をしてくださいね。
お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!
医薬品卸で数年間働き、その後内資系製薬会社→外資系製薬会社と転職した現役MRです