こんにちは、きよまさです。
医薬品卸で数年間働き、その後内資系製薬会社→外資系製薬会社に転職しました。
現在、外資系製薬会社でチームリーダーとして大学病院を担当しています。
今の医療業界を取り巻く環境では所長になるメリットよりもデメリットの方が多い
今のアラフォー世代が就職活動をしていた時は氷河時代と言われており、
なかなか就職先が見つからない人もいましたよね。
そんな中、製薬会社に入社し、今現在、「営業所長」というポジションに就いている人、
その分岐点に立っている人も多くいると思います。
コロナ禍で製薬業界の仕事の在り方が一気に変わり、
その変化のスピードは凄まじいものがあります。
おそらく、コロナが収まっても、今の状況が変わり、
以前のように戻ることはないんじゃないかなと考えています。
そういう中で出世するメリットとデメリットを今一度、考えてみたいと思います。
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MRが所長になるメリット

MRが所長になるメリットって何でしょうか?
・給料が上がる
・承認欲求を高めることができる
給料が上がる
これはどこの会社でもそうだと思います。
一般社員から管理職になるということはそれだけ責任を持たないといけませんので、
当然、それに見合うだけの給料をもらうことができます。
製薬会社の管理職の給料って、各社で違うとは思いますが、軽く1,000万円は越えてきます。
1,200~1,500万円あたりが妥当な範囲だと思います。
世間一般的には超高給取りです。

しかし、大手の製薬会社だとMRでも40代前半で1,000万円は超えています。
ここに非課税の営業日当や社宅制度などがあるため、実際の年収はもう少し高めです。
所長になると確かに給料が上がるけど、MRでも給料は高いです。
年収がそこそこ高いと生活に困ることなど一切ありません。むしろプチ贅沢な生活ができます。
MRでも給料が高いため、金銭的な魅力を感じることは低いと思う
承認欲求を高めることができる
MRから営業所長に昇格すれば、それなりの社会的地位を得ることができます。
友人や家族からも祝福されるでしょうし、周りからも所長と呼ばれ、エリアの責任者になります。
指示される側から指示する側に変わり、
任された営業所でTOPの立場を得ることができますが、
MRよりも責任が求められます。
責任感がない人が管理職になると部下が疲弊しますが、責任感が強く、
部下思いの人が管理職に就くと、MRもやる気に満ち溢れ、活気あるチームを作ることが可能です。
チームの雰囲気や部下の仕事に対する情熱も上司次第なところもあります。
自分の腕次第で、MRのやる気を上げたり、育成などができることにやりがいを感じることができると思います。
社会的地位が高まるが、その分責任が出てくる
MRが所長になるデメリット

MRが所長になるデメリットを考えていきます
・リストラや降格になった時に使い物にならない
・ストレスが半端ない
・孤独感を感じる
リストラや降格になった時に使い物にならない
管理職になると会社側の人間になります。
組合からは抜けるので、組合が守ってくれるという事もありません。
そうなると、リストラや早期退職にターゲットにもなりやすくなってしまいます。
先日のイーライリリーの早期退職では40名の管理職をリストラすると発表されています。
そして、リストラになって、別の製薬会社の営業所長になろうと転職活動をしても、
職自体がありません。
普通、営業所長は自社のMRが昇格してなるのがほとんどですよね。
所長を外部から採っていたら、MRのやる気も削がれることになるので、有り得ません。
営業所長という求人がないわけですからMRで転職をすることになってきます。
製薬会社の正社員に転職すると言うよりも、コントラクトMRに転職するのが現実的です。
MRとして何年も仕事をしたことがないわけですから、再就職するにしても大変です。
運よく再就職できたとしても、現場からしばらく離れているため、
相当苦労しますし、お荷物になるかもしれません。
これは社内で降格してMRに戻っても同じです。
何人もそういう人を見ていますが、苦労されています。
ストレスが半端ない
私は管理職ではないので、経験をしているわけではありませんが、
今までの所長のほとんどが、ストレスが半端ないと口を揃えて言っています。
そりゃそうですよね・・・。
支店長や営業部長から数字が悪ければ怒られるし、
数字が一向に上がってこなければ、降格のリスクもあります。
そして、言う事を聞かずに反発ばかりするMRが部下にいたりしたら、大変です。
上からも言われ、下からも言われ、まさに地獄の板挟みです。
MRの時と比べ責任が重くのしかかってくるため社内ストレスは格段に上がってしまいます。
孤独感を感じる
上司と部下の関係は、評価する側と評価される側の関係です。
先輩、後輩の関係ではありません。
上司が一部のMRと仲良くしていると、他のMRから不信感を抱かれます。
そのため、一定の距離を保って、部下と接する必要がある上、厳しいことも言わないといけません。
そして転勤もわりと多くなってきます。
単身赴任で異動する人が多いため、家に帰っても、一人です。
ノバルティスのようにオフィスがなくなると、在宅勤務が日常になります。
5Gが全国津々浦々に行き届くと製薬会社の多くは
オフィスをなくしていくんじゃないかと感じています。
毎日、オフィスに出社する意味ってないですもんね。
さらにコロナ禍では、MRと同行する事もままなりませんし、
これからも医療機関側が複数人数での訪問を規制してくるはずです。
所長同行って表敬訪問が多いため、
挨拶だけなら来なくていいと思っている先生たちが多いんですよね。
外勤することも少なくなり、家で一人ぼっちで、
オンライン会議がびっしり詰め込まれ、数字が悪ければ怒られるばかり。
在宅が多いとメリットである社会的地位の高さを感じる場面も少ない・・・。

想像するだけでメンタルがやられます
MRが出世して所長になるメリットとデメリットを考えてみたのまとめ
人の価値観はそれぞれですが、
今の医療業界を取り巻く環境で、
所長になるメリットよりもデメリットの方が多いような気がします。
これから確実にMRは減ります。それと同時に管理職も確実に減ります。
管理職になってリストラや早期退職の憂き目に合った時のことを考えると、
MRで仕事を続けていく方がメンタル的にも良さそうな気がします。
確かに年収は上がりますが、倍になることはあり得ません。
MRをしながら副業で稼いだり、結婚していれば、
ダブルインカムを狙うことで、その分は何とかなります。
どちらが良いのかに結論はありませんが、自分が楽しく仕事ができればそれで良いと思います。
見栄と地位を得られる管理職を必死になって目指して、
最終的にメンタルをやられる位なら、MR道を極めていくことも大いにアリだと思います。
結局は何のために仕事をしているのか?という目的を明確にしておくことが大事ですよね。
お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!
・アラフォー世代のMR