病院担当MSの価値って何だろうか?

こんにちは、きよまさです。

本記事はこんな人におすすめ

・病院を担当しているMSの皆様

・病院を担当しているMRの皆様

本記事の結論

◆病院側から見たMSの価値は「病院に合わせたオーダーメイドの情報を届けてくれる」

◆MRから見たMSの価値は「外部データでは入手できない情報を教えてくれる」

今年から毎年薬価改定があるため、MSさんは大変です。その中でも大きい病院を担当しているMSさんは特にそうです。

先日、とある医薬品卸の病院チームのみなさんと一緒に飲みました。

今の病院担当MSの悩みと、その人たちの価値って何なのか?を書いていきます。

今、病院で起こっていること

きよまさ

いま、病院では卸間の「価格競争」が起こっています

この価格競争は去年の11月に発覚したJCHOでの談合問題が機に起こっています。

独立行政法人「地域医療機能推進機構」(JCHO、東京・港)発注の医薬品の入札を巡り、談合を繰り返した疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、医薬品卸大手4社の本社など関係先について独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で強制調査を始めた。検察当局への刑事告発を視野に調査を進める。公取委は検察への刑事告発を視野に調査を進める。強制調査の対象は、医薬品卸最大手のメディパルホールディングス(HD)傘下のメディセオ(東京・中央)、アルフレッサHD傘下のアルフレッサ(同・千代田)、スズケン(名古屋市)、東邦HD傘下の東邦薬品(東京・世田谷)。公取委は押収した資料の分析と関係者への事情聴取を進め、年間受注規模が数百億円に上るJCHO向けの医薬品納入を巡る談合疑惑の実態解明を本格化させる。関係者によると、メディセオなど4社は2018年にJCHOが発注した医薬品の一般競争入札を巡り、事前に落札業者を決めて受注調整を図った疑いが持たれている。

引用元:日本経済新聞 URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52657690X21C19A1MM0000/
きよまさ

要するに入札前に医薬品卸で話し合いをして、入札価格をコントロールしたってことですね

元MSの立場からすると分からなくもない・・・。

医薬品卸はただでさえ利益率が低い体質ですので、

なるべく落札価格を高めにしたいと思うのは当然です。

➢医薬品卸のビジネスモデルについてはこちら

しかし、それを達成するために談合することはあってはなりませんよね。

きよまさ

しかし談合したい気持ちはよく分かります!

そしてこの談合問題を機に、JCHOの入札方法が変更になりました。

JCHO、4大卸の談合疑惑で入札方法変更  傘下57病院の医薬品調達、「共同入札」から「個別入札」に

共同入札から個別入札に変更になったことで、今まで入札に参加することができなかった地場卸が参戦できるようになりました。

地場卸

よっしゃ~!! 参戦じゃ~~!!

競合が多ければ多いほど競争が激化するのは明白です。

➢談合問題からこれから起きることについて

病院からすれば、価格を下げることができますので、願ったり叶ったりです。

価格を下げるにしても、会社の承認が必要ですし、

下げすぎたら、売れば売るほど赤字になり、利益を圧迫します。

だから、卸としては少しでも利益を出すため、安易に価格を下げることはしたくありません。

しかし、そこは他の卸もいる戦場ですので、

どこかの卸が価格を下げ始めたら、引きずられるように、下げざるを得なくなってしまいます。

そこで価格を下げないとなると、帳合変更となり自社の売上が下がります。

卸名は出しませんが、とある大手卸が価格を積極的に出して

市場シェアを取りに来ているため、価格競争が激化しています。

そしてこの価格競争がクリニックや調剤薬局まで波及してきています。

ただでさえ、利益率が低いのに過剰な価格競争によって、さらに収益が悪化しています。

このまま熾烈な価格競争が続けば、医薬品卸の体力は持ちません。

いずれ販管費を抑えるため人件費にメスが入ってくると予想しています。

➢MSのリストラについてはこちら

これは大手も地場も変わりません。地場卸の方がきついのは明白ですが。

そして過剰な価格競争が起きることで医薬品卸の絞り込みが始まります。

➢内資系製薬会社で医薬品卸の絞り込みを始めそうな会社についてはこちら

実際にノボノルディスクファーマやGSKは医薬品卸の絞り込みを始めています。

➢GSKがメディセオと取引停止する理由についてはこちら

ポイント!

病院では卸間の熾烈な価格競争が起きており、このままでは医薬品卸の体力が持たない

病院担当MSの顧客

開業医を担当しているメイン顧客はDrや薬剤師です。

Drや薬剤師に面会して医薬品の情報提供やその他の情報提供を行うことが主な仕事です。

他にも債権回収や価格交渉なども行います。

では病院担当MSのメイン顧客は誰になってくるのか?と言うと、

病院の薬剤部、購買部、経理課、門前薬局の薬剤師などがメインになってきます。

病院担当MSは基本的にはDrと面会はしません。

病院は専門別に分かれていますので、それぞれに専門医がいます。

呼吸器内科には呼吸器専門医、糖尿病内科には糖尿病専門医などです。

専門性が高い情報提供が必要となるため、なかなかMSでは対応できません。

また病院の先生もMSに面会することを希望されないのがほとんどです。

きよまさ

病院担当MSは「医師への情報提供」という業務がほとんど発生しないという事ですね

病院担当MSの仕事

病院担当MSの顧客のほとんどは医師以外です。

医師以外に対してどういう仕事をしているのか?

基本的には開業医を担当しているMSと同じです。

メイン顧客に医師がいないということになります。

院内薬剤部や門前薬局への医薬品の情報提供や在庫管理、

購買部などの事務方との価格交渉や債権回収交渉などです。

しかし、病院担当MSが取り扱う医薬品の数や売上は開業医担当MSと比べて圧倒的に多いんです。

大学病院クラスになると、1カ月で数千万単位です。

規模が大きい病院の売上が減ってしまうと、卸全体の売上高に与える影響も大きくなります。

ただ、MS個人の力で病院の売上を伸ばすことができるかと言うとそうではありません。

開業医担当MSは医師や薬剤師に気に入られると、売上を伸ばすことができますが、

病院担当MSはそうではなく、どちらかというと組織戦です。

ただし最近では開業医担当のMSさんのパワーが低下しています。

➢MSが処方元に弱くなってきている

病院 vs 卸、卸 vs 卸と言う感じです。

そして価格競争が激化しているため、よりその傾向が強まっています。

病院から見た病院担当MSの価値とは?

病院からの価格交渉の圧が強まっています。

事務長

もっと価格を下げてくれないとおたくは売上がなくなってしまうけどいいの?

なかには勘違いしたスタッフもいます。

事務長

配送さえしてくれればいいんだから、君たちは必要ないんだよ

病院担当MSがいなければ、病院薬剤師やスタッフがネット以外の情報を気軽に取ることができなくなります。

情報というのは、医薬品情報だけではなく、

診療報酬、地域の医療情報、制度変更、薬価情報なども含まれます。

そう言った情報は不要ですと言うのならば、配送だけでいいのかもしれませんが、

困るのは病院側、特に事務方だと思います。

インターネットやSNSで基本的な医薬品の情報を入手することはできますが、

それ以外の細かい情報を取ることはできません。

MSは近隣の病院を複数担当しているので、他の病院の情報を聞くこともできます。

また、診療報酬改定や制度改定の動きを見て、

病院経営に関するアドバイスをする優秀なMSもいます

ポイント!

病院に合わせたオーダーメイドの情報を入手するためにMSは不可欠な存在であり、それが価値だと思う

MRから見た病院MSの価値とは?

現役MRから見た病院MSの価値は

外部データでは入手できない情報を知っている

きよまさ

正直、医師への情報提供に関しては期待していません。むしろ、必要ないと思います。

病院勤務の医師への情報提供はMRの仕事です。

これをMSさんにしてもらおうとは思っていません。

MSさんに助けてもらいたいことは、外部データでは入手できない情報の入手です。

具体的には、

薬審情報や競合品を誰が処方しているのか、病院内のパワーバランス、薬剤部の情報などです。

こういった情報をMRが入手することはかなりハードルが高いですが、MSさんは持っています。

病院でのMR活動において重要になってくるのは情報です。

情報を持っているかどうかで病院を攻略するプランが全く違ってきます。

外部データでは入手できない情報をどれだけ入手できるかもMRの腕の見せ所です。

病院担当MSがいなければ、非常に困ります。

MRから見た病院担当MSの価値は、「情報」になります。

病院担当MSの価値って何だろうか?のまとめ

病院担当MSの価値をまとめてみます。

病院から見た病院担当MSの価値

病院に合わせたオーダーメイドの情報を入手するためにMSは不可欠な存在

MRから見た病院担当MSの価値

外部データでは入手できない情報を知っている

病院担当MSの価値は情報であり、

その情報をどれだけ持っていて、かつ顧客やMRに共有できるか?が腕の見せ所だと思います。

MRもMSから情報をもらえるような信頼関係を築いておくべきです。

病院しか担当してこなかったMRはこの辺が圧倒的に弱い気がします。

また、開業医担当MSは医師や薬剤師に強くなって、

自社の売上を上げていく事が仕事の醍醐味ですが、病院担当MSにはそれができません。

病院担当しか経験したことがないMSは開業医担当も経験するべきだと思います。

逆も同じです。

お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!

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