製薬会社の就職偏差値がネットにあるけどこれって本当なの?
製薬会社の就職偏差値って信じていいの?
医薬品卸で数年間働き、その後内資系製薬会社→外資系製薬会社に転職しました。
現在、外資系製薬会社で働いている現役MRです。
ネットで製薬会社の就職偏差値ランキングってものを見ることができます。

それを参考に製薬会社を決める学生や未経験者って結構いるのかな?
本記事では現役MRが製薬会社の就職偏差値ランキングを真に受けて良いのか?
それを参考にして就職先を決めて良いのか?を解説します。
就職偏差値ランキングを参考にして就職先を決めてはいけない!
コンテンツ
製薬会社の就職偏差値ランキングを真に受けて良いのか?
インターネットで出回っている就職偏差値ランキングを真に受けてはダメ
■公式な偏差値ランキングなど存在しない
■偏差値ランキングがバラバラ・・・
■偏差値ランキングのコメントが適当・・・
公式な偏差値ランキングなど存在しない
公式発表されている製薬会社の偏差値ランキングってこの世の中にありません。
インターネットで出回っているのは誰かの主観で作成されたものです。

そもそも大学受験のように全員が同じ試験を受けて合否が決まるわけではないですからね。
でも業界のことを全く知らない人にとってそれが本当なのかどうか?って判断できないですよね。
それがSNSや5chなどで出回り、あたかも「正しい」と思いこんでしまうってことがあるんじゃないかな。
社会人人生は長いです。
MRで働くなら社風も大事ですけど、会社の将来性や開発力がとても大事なんです。
開発力がないと新薬も出てこないし、今の時代、長期収載品はすぐに後発品に変えられます。
後発品に切り替えられるのを防ぐなんて無理ゲーです。
どの製薬会社の入社試験を受けるか?の判断基準として、偏差値ランキングなどではなく会社の研究開発費とパイプラインを見て下さい。
ここで内資系製薬会社の研究開発費と外資系製薬会社の研究開発費を比べてみましょう。

内資系製薬会社で1位に武田薬品ですら13位です。しかも研究開発費の金額が圧倒的に違うのが分かるかと思います。
偏差値ランキングがバラバラ・・・
とある偏差値ランキングでは、
外資系大手を抑えて、内資系中堅が上位にランキングされたりしています。

有り得ないでしょ~
現役MRからすればもはや違和感しかないランキングです。
ここで二つの偏差値ランキングを紹介します。

2つともTOP10がほぼ内資系です。
外資系製薬会社は2つの偏差値ランキングともに下位もしくはランキングにすら入っていません。
内資の中堅メーカーが外資系大手よりも上に位置付けられているあたり全く親切ではないし、乱暴です。
久光製薬が世界のメルクよりも上に位置付けられているとか本当に有り得ませんよ。
しかも会社名が間違って記載されていたり、中外がロシュグループと分かっていなかったりとマジで適当です。
では研究開発費ランキングTOP20の会社が就職偏差値ランキングでどこにあるのか見てみます。

メガファーマが就職偏差値で低くランキングされているのが分かると思います。
現役MRから見れば違和感しかありません。
学生の多くがこういった偏差値ランキングを鵜呑みにて就職活動している可能性があります。
とても恐ろしく思います。
これからは低分子医薬品ではなく、抗体医薬やバイオ医薬品が主流になっていきます。
そういった低分子医薬品以外を開発パイプラインに多く有しているのは外資系メーカーです。
内資系メーカーでは一部の大手製薬会社だけです。
今の医薬品市場、そしてこれからの医薬品市場をリードしていくのは外資系メーカーと一部の大手内資系メーカーという事を押さえておく必要があります。
偏差値ランキングのコメントが適当・・・

偏差値ランキングで各製薬会社の印象や仕事内容のコメントが簡単に添えられていますが、これが笑えるくらい適当です。
たいてい多くの製薬会社に「超激務」もしくは「激務」ってコメントが書いてあるんですが、そんなことはありません。
年収が良いからそういう風に書かれるのかもしれませんが、製薬会社の年収が高いのは、仕事が忙しいからではなく、収益率が高いからです。
MRの仕事が「超激務」「激務」だったら、他業界の営業は「超絶激務」です。
私はMSからMRに転職をしていますが、MSの方が激務ですよ。
MRの良さって自分で時間をコントロールすることができる職種という事です。
サボろうと思えばいくらでもサボれます。
特にコロナ禍になってからは在宅勤務を導入する製薬会社が増え、朝の卸訪問もほぼなくなり、確実に自分の時間が増えています。
講演会などがあるので夜遅くなることも多いですが、その分残業代がもらえたり、翌日ゆっくり過ごすことだって自分の裁量で可能です。

MRの仕事は「激務」でありません!
他にも早期退職やPIPとコメントされている製薬会社もありますが、これはどこの企業でも起こりうることです。
PIPとは「パフォーマンスが優れないMRを管理してパフォーマンスが上がるようにしていくよ!」っていう制度です。一見聞こえは良いのですが、実情はMRを管理下に置き退職に追い込むことを意味しています。
逆にそういうコメントがない製薬会社は安心なのか?というと全くそうではありません。
2020年は国内最大手の武田薬品や今まで早期退職をしたことがなかったイーライリリーでさえもMR数を減らしました。
追記:2021年もアステラス製薬が450名の早期退職を実施するようです。

製薬会社に限らず、民間企業で働く場合はそのようなリスクを完全に排除できないということを認識しておく必要があります。
以前は日本ベーリンガーが働きやすさから「最後の楽園」と比喩されていましたが、今はそんなことを言っている人は誰もいません。

どの業界でも自分の身は自分で守るっていうことが大事です
リアルな社内の雰囲気や社風についてはその会社で働いている人に直接聞くことがベストです。
だけど学生の方や業界未経験の方にとって直接聞くことは簡単に出来ることではありませんよね?
そんなときは今働いている会社、以前働いたことがある会社の口コミを見ることもありますが、リアルな感じです。
ネットに出回っている偏差値ランキングのコメントなんかを見るよりもこういった口コミサイトを参考にしましょう。
現役MRの多くがこの就職偏差値ランキングに違和感を覚えています
現役MRの方々は製薬会社の就職偏差値ランキングをどう思っているんでしょうか?
こちらのツイートを見て下さい。
ご覧のように私だけではなく多くの現役MRの方が違和感を覚えています。
偏差値ランキングを参考にして就職先を決めて良いのか?
就職偏差値ランキングを参考にして就職先を決めてはいけません!
製薬会社の就職偏差値ランキングってまず存在しないので、信じないことが大前提です。
自分でそれぞれの製薬会社のことを研究して就職先を決めることが絶対なんですが、
ネットだけでは情報収集に限界があると思いますので、私なりの意見を書いていきます。
内資外資問わず大手製薬会社を目指そう!
製薬会社に入社したい人はまずは内資系大手か外資系大手を目指すことをおすすめします。
(希少疾病薬を扱うようなスペシャリティMRは基本的に即戦力の中途MRを採用するので、現実的でありません)
自分一人ではどこの製薬会社が良いのかわからない人も多いと思います。
そういう時にはこちらの転職サイトを利用することをおすすめします。
中堅メーカーをおすすめできない理由

中堅メーカーをおすすめできない理由はやはりその将来性と年収の違いです。
開発パイプラインを見れば分かると思いますがフェーズ1以降の数が少なく、開発されている化合物も低分子医薬品がほとんどです。
ひと昔と違って新薬の特許が切れたら容赦なく後発品に変えられます。
長期収載医薬品で売上を維持するなんてマジで無理です。
若くても年収は大手ほど高いです。働き方も大手、中堅に違いはありません。
MRの仕事は後発品メーカーを除き、基本的にはどこの製薬会社でも全く同じです。
だけど後発品MRはマジでやめておいた方がいいと思います。
その理由についてはこちらの記事で解説しています。
就職した会社が違うだけで同じ仕事をしているのに年収が違い、そして会社の将来性も違ってきます。
私も今の会社の前は内資系の中堅メーカーで働いていましたが、今の方が年収は良いですし、新薬に携わることができています。
MRの仕事の醍醐味ってやっぱり新薬に関わることなんですよね。
それが出来るのがやはり大手製薬会社なんです。

まったり仕事ができるのは中堅メーカーの方なんじゃないですか??

そんなことは絶対にありません!!
中堅メーカーは新薬が少ないので売上を維持するのに大変です。
だからバイオシミラーや後発品、AGに活路を見出そうとしている会社が多くあります。
「後発品でもいいから売ってこんかい!!」とMRに対しての圧も半端なかったことを記憶しています。
製薬会社の就職偏差値ランキングを信じる?信じない?のまとめ

インターネットで出回っている就職偏差値ランキングを真に受けてはダメだし、それを参考にして安易に就職先を決めたらいけません
領域制を敷いている製薬会社は、入社後に担当領域が決まるケースがほとんどだと思います。
もし希望する領域に配属されなかったとしても、入社後に成果を残せば、希望する領域に異動することも可能です。
そのため各製薬会社の将来性(主力領域、開発パイプラインなど)をしっかりと研究することが大事です。
転職を考えたときも大手で働いていた実績は必ず重宝されます。
これからMR数は減少すると言われています。これは間違いないと思います。
ただし、成果を残せるMR、自ら主体的に動けるMRは確実に残れます。
MRの将来性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
そしてどの会社で働くか?
インターネットで出回っている就職偏差値ランキングを信じることなく、自分で徹底的に研究しましょう!
そして就活では自己分析も欠かせません。
こちらの記事であなたにMRの適合性があるのかを詳しく解説しています。
お忙しいところ最後まで読んで頂いてありがとうございました!
製薬会社の就職偏差値を信じていいのか悩んでいる人