みなさんは生命保険に入っていますか?
おそらく多くの家族持ちの方は何かしらの生命保険に入っていると思います。
あなたが生命保険に入ったきっかけは何ですか?
生命保険に入ったきっかけは色々ありますよね。
私は学資保険に入ったことがそもそものきっかけでした。(学資保険に入ったことは今でも後悔しています)
学資保険なんて入らない方がいいです。こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ある時、セールスマンがこんな風に「米ドル建て終身保険10年払込済」を勧めてきました。

●「お父さんに万が一のことがあったら大変ですよね」
●「貯蓄もできる生命保険がとても良いですよ」
●「しかも米ドルで貯金できるので、リスク分散にもなります」
その時の私は投資に関するリテラシーが低く、セールスマンの言うことを信じてしまい、
「貯金も出来て何かあった時に10万ドル(約1,000万円)が入ってくるならいいかも」
と思い、とある保険会社のドル建て終身保険に入ってしまいました。
こんな風に考えて生命保険に入った人は多いんじゃないでしょうか?
本当に後悔しています。
本記事では
米ドル建て終身保険が
●貯金としてはコスパが悪く、貯金と保険は分けて考えた方が良い
そして、生命保険は
●掛け捨て型がおすすめ
について解説していきます
コンテンツ
米ドル建て終身保険とは?
これは文字通り保険料を米ドルで支払う生命保険です。
ドル建て生命保険のお金の流れはこんな感じです。

契約者がわざわざ円をドルに両替する手間はありません。
私の場合は10万ドルの終身保険(自分が死んだら妻に約1,100万円のお金が入る)を10年で支払い終わる形の契約を結びました。
そのため毎月支払う保険料が高く、365.30ドルでした。
為替レートが1ドル110円の場合、
365.3×110=40,183円になります。
このドル建て保険の特徴は、保険会社が日本円より金利が高いドルで運用することによって、円で支払うより戻ってくるお金が増えることが期待できるということです。

保険のセールスマンはこう言ってきました。

「貯金も出来て死亡保障も手厚いんです。しかも今の時代は定期貯金なんかしてもお金は増えていきません。ドル建てすることで高い年利も期待でき、資産のリスク分散にもなりますよ♪」
他にも
「満期日に円安になっていれば、為替差益でお金が増えますよ♪」
「円建ての保険よりも保険料が格安ですよ♪」
確かにそうかもしれません。
でもね。
貯金と保険を一緒に考えてはいけないんですよ。

以前の私は
「貯金も出来て手厚い保障もあるなんて最高じゃん!」
「しかもドルで資産を持てるなんてリスク分散できるじゃん!」
「いぇーい!!ドル建て最高~!」

と今考えれば何てアホな選択をしたんだと本当に後悔しています。
5年間もこの保険に入っていましたので、時間とお金を本当に無駄にしました。
米ドル建て終身保険をやめた理由
●時間とお金をかける割にはリターンが低い
●資産の流動性が低い
5年前にこの米ドル建て終身保険に入りました。
そして昨年、この米ドル建て終身保険を解約しました。
支払った保険料は約22,000ドルです。
そして戻ってきた解約返戻金は18,000ドルです。
1ドル110円で計算すると
●支払った保険料は約242万円
●受け取った解約返戻金は約198万円なので
●約50万円のマイナスです。

50万もあれば家族と旅行できる。
50万もあれば子供の教育費に回せる。
「やっぱりやめようかな~。担当の人にも悪いしな~」
そんなことも考えましたが
「いや!やっぱりやめる!!」
担当者に電話で解約を伝えると色々な理由で止められるのは間違いありません。
そのためコールセンターに直接電話をして解約手続きを行いました。
そしてそのあと、担当者に電話をして無事に解約できました。
コールセンターは淡々と手続きをしてくれるので、おすすめですよ。
時間とお金をかける割にはリターンが低い
こちらは米ドル建て終身保険の実際のシミュレーションです。

10年間で支払いを終えるので、11年目以降は保険料は支払う必要はありません。
10年間で支払う保険料は累計で43,836ドルです。
私が死んだときは支払い中でも支払い終えても妻に10万ドル、約1,100万円が入ります。
解約返戻率が100%を超えてくるのが14年目の時です
そしてその後は支払った保険料よりも解約返戻金が増えていきます。

なぜ解約返戻金が増えるのか?
それは米国公社債などに投資しているからです。
生命保険会社は契約者から集めたお金を投資商品で運用するので、本質的には投資なんですよね。
人からお金を集めるために「保険」という特典をつけている。
単純にそんな仕組みです。
40年目の時には解約返戻金は
●75,700ドルまで増えています
1ドル110円で計算すると支払った保険料482万円が
●約830万円になります
一見すると
「約350万円も増えるじゃん」
「これは神!」
と思うかもしれませんが、はっきり言って40年もかけてこのリターンはクソです。
しかも14年目まではマイナスです。
払い終えた後の年利は2%ほどです。(為替差益は除外)
長い時間をかけて資産を増やすための投資商品としてはゴミみたいなもんです。
資産の流動性が低い
学資保険であれ生命保険であれ、毎月決まった金額が銀行口座から引き落とされるため、貯金の強制力はあります。
しかし、まとまったお金が必要になったときに貯金のように生命保険から引き出すことはできません。
もし手元にお金がない場合は、途中解約もしくは契約者貸付を利用するしかありません。
途中解約した場合は、保険金を支払っている期間は間違いなくマイナスになるので、保険の担当者は契約者貸付をすすめてきます。
資金が必要なときなどに、解約返還金の一定範囲内でお金を貸りることができる制度

「途中解約した場合、マイナスになり今まで頑張ったきたことが無駄になりますよ」
「それならば契約者貸付制度を利用しませんか?」
しかしこの契約者貸付はお金を借りるわけなので返済時にしっかりと利息がとられます。
私も利用したことがありますが年利3%~4%ほどの利息をとられます。
アコムなどの消費者金融でお金を借りると年利18%ほど利息をとられるので、一見格安のように見えます。
しかし、
「いやいや、おかしいだろ」
「なんで自分のお金を引き出すのに利息をとられんだよ」
自分でお金を預け入れて、そこからお金を出すだけなのに、逆にマウントを取られ、利息を搾り取られる。

それならば普通貯金で貯めておいた方が良くないですか?
もちろん生命保険には保険料の支払い期間に自分が死んだら保険金を受取人が受け取れるというメリットがあります。
この「万が一」と言う魔法の言葉で人は思考が止まります。

「確かに万が一があった時のことを考えると保険に入っておいた方が良さそうだ」
「確かに万が一があった時の事を考えると家族にお金を残す仕組みを作っておいた方が良さそうだ」
もう日本語からこの万が一という言葉を消してほしいくらいです。
本当に保険会社はマーケティングのプロ、いや神様ですよ。
よく考えてください。
MRの方ならよくご存じかと思いますが、人間は簡単に死にません。
生命保険は資金の流動性が超絶低いんです。
生命保険は掛け捨て型がおすすめです
ドル建て終身保険は解約し、新しく楽天生命の「スーパー定期保険」に入りました。
楽天生命の「スーパー定期保険」を選んだ理由は
●ドル建て終身保険と同じ約1,000万円の保険が
●月々約1,000円~2,000円で済むから(契約時の年齢により変動)
40年間払い続けるとどちらがお得なのか?をシミュレーションしてみます。
契約時の年齢は35歳とし、1ドル110円が40年続くと仮定します。
毎月の支払額は
●ドル建て終身保険 40,183円
●スーパー定期保険 1,220円
1年の支払額は
●ドル建て終身保険 482,196円
●スーパー定期保険 14,640円
同じような保険金なのに
●年間の支払い額は
●スーパー定期保険の方が約47万円も少ない
それでは続けていましょう。
10年間はドル建て終身保険に保険金を支払うので、差額はどんどん開いていきます。

同じような死亡保険金ですが、スーパー定期保険の方が約470万円も安いです。
11年目からはドル建て終身保険の支払いはありませんので、両者の差は縮小してきます。
20年目がこちらです。

両者の差額が縮まってきましたが、それでも約450万円もスーパー定期保険の方が安いです。
続いて30年目です。

最後に40年目です。

ドル建て終身保険
●約482万円
スーパー定期保険
●約58万円
つまり40年間で支払う保険料は
●楽天生命のスーパー定期保険の方が
●約420万円
●安い
ここからさらに比較していきます。
ドル建て終身保険は10年目以降は支払いはありませんが、解約返戻金が増えていきます。
さきほどご紹介したように40年目で途中解約した場合は約830万円です。
ドル建て終身保険に支払った総額は
●約482万円
受け取る途中解約金は
●約850万円
つまり
●約370万円増えている
40年間のトータルリターンを比較すると
●ドル建て終身保険は元本が370万円増える
●スーパー定期保険はドル建て終身保険よりも420万円節約できる
「うん?」
「ほぼ同じじゃん!」
「むしろスーパー定期保険の方がお得じゃねーかよ!!」
つまり
「ドル建て終身保険」と「楽天生命のスーパー定期保険」を40年続けた場合
●トータルリターンは
●スーパー定期保険の方が優れる
ここからさらに応用編です。
●ドル建て終身保険は毎月40,183円の支払い
●楽天生命のスーパー定期保険は毎月1,220円の支払い
●月々の差は約4万円です
この差額分をインデックスファンドに投資してみましょう♪。
ここは手堅く年利4%に設定します。
まず10年後はいくらになっているのか?を見ていきます。

10年後には588万円になりました。
ドル建て終身保険と同じように10年目以降は毎月の積立金額を0円にしてシミュレーションしてみます。

40年目には1,948万円です。
40年目のドル建て終身保険の解約返戻金は850万円でした。
つまり約1,100万円程の差がついています。
いかにドル建て終身保険が資産形成としてはコスパが悪すぎるということがお分かり頂けたかと思います。
●資産を増やすためにドル建て保険に入るよりも
●自分で投資運用した方が
●圧倒的にパフォーマンスが優れる
生命保険は保険料が格安のネット保険で十分です。
保険と貯金は切り分けるべきですね。
【50万の赤字】ドル建て保険はさっさとやめた方がいいのまとめ
いかがでしたでしょうか。
どんな保険でも保険料支払い期間中に途中解約した場合は間違いなく赤字になります。
私も約50万円のマイナスでした。
貯金と保険を両方備えている商品はコスパが悪すぎます。

貯金は生活防衛資金として生活費の6カ月分を確保し、残りは全額投資し、お金を増やしていく。
保険はどんな保険であっても月々の支払いを抑えた掛け捨て型保険で十分です。
資産形成するためには固定費をなるべく削減することが鉄則です。
もしあなたがドル建て終身保険にお金を投入しているのなら見直してみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
●子供のために学資保険に入ったらセールスマンに勧められて入った
●貯金も兼ねてる保険に入った
●親の勧めで入った